逆流性食道炎– Gastroesophageal Reflux Disease –

逆流性食道炎（胃食道逆流症）

セルフチェックリスト

食後に胸が焼けるように熱くなる
横になると胸やけがする
喉に違和感（飲み込みにくい、つかえる感じなど）がある
口の中が苦く感じる
いつまでも咳が治まらない
胸やけ、咳、口の苦味などの症状が朝起きた時にひどい
食後によく胃がもたれる
食後によく気持ちが悪くなる
胸のあたりがムカムカする
酸っぱいものがこみあげてくる感じがする
喉のあたりがヒリヒリした感じがする
食べ物が喉でつかえる感じがする
げっぷがよく出る

上記の症状にひとつでも当てはまる方は逆流性食道炎（胃食道逆流症）の可能性があります。
症状のある方、気になる方、少しでも不安を感じる方は当院までご相談ください。

逆流性食道炎（胃食道逆流症）とは

逆流性食道炎は、胃酸などの消化液が食道に逆流し、食道の粘膜を傷つけることで様々な症状を引き起こす病気です。
主な症状は、胸やけや、のどの違和感（飲み込む際のつかえ感など）、酸っぱいげっぷです。胸やけの自覚がなくても、食後に前かがみになったり、げっぷをした際に食べたものが逆流する感覚はありませんか？

食道には胃酸から自身を守る機能がないため、胃酸の逆流が繰り返されると炎症が起きてしまいます。以前は欧米で多く、日本では比較的少ない病気とされていましたが、近年、高齢化や食生活の欧米化（脂質の多い食事など）、肥満などを背景に、日本でも患者さんが増加しています。
逆流性食道炎は、その症状によって日常生活の質を低下させるだけでなく、バレット上皮という状態を引き起こすことがあります。

バレット上皮は、バレット腺癌という食道がんの一種が発生する温床となると考えられています。欧米では、食道がんの約半数がバレット腺癌によるものです。日本ではバレット上皮からの発がんは比較的少ないですが、逆流性食道炎の患者さんが増え続けているため、将来的に欧米のような状況に近づく可能性も懸念されています。

ご自身の症状で気になることがあれば、一度当院までご相談ください。

逆流性食道炎の原因

食生活と生活習慣: 食べ過ぎ、アルコール、チョコレートなどの脂肪分の多い食事は、胃酸の逆流を引き起こしやすくなります。また、肥満や、お腹を締め付ける服装、猫背のように腰が曲がった姿勢なども胃を圧迫し、胃液の逆流を促す原因となります。
加齢や喫煙習慣: 食道と胃のつなぎ目には下部食道括約筋と呼ばれる筋肉があり、胃の内容物が食道へ逆流しないよう防ぐ働きをしています。しかし、加齢や喫煙習慣によって、この筋肉の働きが弱まることがあります。
食道裂孔ヘルニア: 横隔膜（胸腔と腹腔を隔てる膜）には食道が通る孔がありますが、この孔が緩むと胃の一部が食道の方へ持ち上がってしまうことがあります。これを食道裂孔ヘルニアといい、胃酸がさらに逆流しやすい状態になることがよくあります。

これらの原因が単独で、あるいは複数組み合わさることで、逆流性食道炎の症状が現れやすくなります。

逆流性食道炎の検査

逆流性食道炎の診察では、まず詳しく症状についてお伺いします。症状をしっかりと確認した上で、胃カメラ検査を行います。
胃カメラ検査には、口からカメラを挿入する経口検査と、鼻から挿入する経鼻検査があります。ご希望に応じて鎮静剤の使用も選択できるため、苦痛を抑えて検査を受けていただけます。ご希望の方はお気軽にご相談ください。
胃カメラ検査では、食道の粘膜を直接観察できます。食道にできたびらん（ただれ）や潰瘍の色や大きさなどを詳しく確認することで、逆流性食道炎の確定診断が可能です。