骨粗鬆症– Osteoporosis –

骨粗鬆症

セルフチェックリスト
  • 運動する習慣がなく、移動も階段ではなくエレベーターやエスカレーターを使う
  • 晴れの日でも、あまり外出しない
  • 喫煙の習慣がある
  • よくお酒をのむ
  • 家族に骨粗鬆症や股関節の骨折をした人がいる
  • 女性の場合、閉経している、または生理不順である
  • 65歳以上である
  • 最近、身長が4cm以上縮んだ、または背中が曲がってきた
  • 思いがけず骨折したことがある
  • 健康診断で骨密度が低いと言われたことがある

上記のような症状のある方は骨粗鬆症の可能性があります。少しでも不安を感じる方は当院までご相談ください。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、加齢やカルシウム不足・運動不足が原因で骨量が減少し、骨の強度が失われる病気です。カルシウムやコラーゲンなどの骨量が減少すると、骨が脆くなりスカスカとなってしまい、骨折を起こすリスクが高まります。骨粗鬆症になると、些細な衝撃でも骨折しやすくなり、要介護状態となりやすいため注意が必要です。

日本における骨粗鬆症罹患者は、約1,280万人と推定され、40歳以上では男性が12.4%、女性が26.5%とされています。
50代以上の女性、70代以上の男性に多くなっています。

高齢者の骨折には要注意

骨量のピークは、20~30歳頃です。それ以降、加齢と共に骨量が減少していきます。それに伴って、骨密度が減少すると骨粗鬆症を引き起こしやすくなります。特に、高齢の方が骨粗鬆症になると、初期段階で身体の重みで背骨が潰れてしまったり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折を引き起こします。さらに、高齢者が骨折になると、要介護となるため、大きな問題となっています。ちょっとした転倒でも骨折を招くため、骨粗鬆症となる前に、適切な生活改善や早めの治療で、骨密度減少をくい止め、骨折リスクを下げることが可能です。

女性は50歳前後から骨量が急激に減少

骨粗鬆症は、年々高齢者の方、特に女性に多く見られます。更年期以降は、特にエストロゲンなどの女性ホルモン分泌が低下します。エストロゲンは、骨の新陳代謝において骨からカルシウムが溶け出すのを抑制します。女性の閉経後は、このエストロゲンの分泌量が減少するため、骨吸収のペースが速くなり、次第に骨形成が追い付かず、骨が脆くなります。

このため、女性は閉経を迎える50歳前後から骨粗鬆症の検査を一度受けることをお勧めしております。その他、極端なダイエットによる栄養不足・偏食・過度の喫煙や飲酒なども骨粗鬆症の大きな原因とされています。

骨粗鬆症の検査

骨密度検査・骨代謝マーカー検査・X線検査・身長測定などを行います。

予防と治療について

骨粗鬆症の原因は、加齢や閉経のほか、食事や運動習慣も大きく関わっています。そのため、食事療法や運動療法は、骨粗鬆症の予防や症状改善には不可欠です。生活習慣病と骨粗鬆症は非常に影響しあっています。特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、骨粗鬆症の最も大きな危険因子となります。さらに、慢性腎臓病や糖尿病も骨折リスクが高まると言われています。

このように、骨粗鬆症は「骨の生活習慣病」とも呼ばれるほど、日頃からの生活習慣は大きく影響を及ぼします。ただし、すでに骨粗鬆症と診断された場合は、薬物療法を中心に行います。

食事療法

骨粗鬆症の治療や予防に欠かせない栄養素は、カルシウム・タンパク質・コラーゲン・ビタミンD・ビタミンKです。
カルシウムの必要摂取量は、食品として700~800mg/日、ビタミンDは400~800IU/日、ビタミンKは250~300μg/日が推奨されています。また、積極的に摂取したい栄養素を含む食品は以下の通りです。

①カルシウム
  • 乳製品・牛乳・しらす・ししゃも・イワシ・干しエビ・ワカサギ・ひじき・小松菜・モロヘイヤ・大豆類・えんどう豆など
②タンパク質
  • 肉類・魚介類・乳製品・大豆類・卵など
③ビタミンD
  • しらす干し・いわしの丸干し・サケ・サンマ・ウナギ・カレイ・あんこうの肝・煮干し・干し椎茸・きくらげなど
④ビタミンK
  • 納豆・キャベツ・小松菜・ほうれん草・菜の花・サニーレタス・モロヘイヤ・春菊・おかひじき・ブロッコリー・カイワレ大根・抹茶など

運動療法

適度な運動を行い、負荷がかかることで骨が増加して強くなります。また、筋量を上げることで身体をしっかりと支え、体幹も強くなることでバランス感覚が上がり、転倒を防げます。激しい運動をする必要はありません。軽い運動でも継続することで、改善効果が期待できます。

薬物療法

骨粗鬆症が進んだ場合は、薬物療法を行います。主な治療薬は、以下の通りです。

①骨破壊を抑える薬
  • ビスフォスフォネート製剤
  • 選択的エストロゲン受容体作動薬(SERM)
  • ヒト型抗モノクローナル抗体製剤(デノスマブ)
②骨の材料を補う薬
  • カルシウム製剤
  • 活性型ビタミンD3製剤
  • ビタミンK製剤
③骨をつくる薬
  • 副甲状腺ホルモン製剤(PTH)

お問い合わせ

当院では骨粗鬆症の検査・治療を行っています。
症状のある方、少しでも不安のある方、気になる方はお早目に当院までご相談ください。